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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

九州新幹線全通

九州新幹線全通

旅行期間:平成23年(2011)3月11日(金)~13日(日)
訪問標的:九州新幹線開業区間、九州の古い駅舎

【プロローグ】

 あまり開業イベント等に参加しない私だったのですが、九州新幹線全通は行ってみようと思い立ち計画を練り出したのでした。
 なかなか新ダイヤの情報が得られなかったり、周遊きっぷのゾーン内特急利用がダメになるのではという掲示板の書き込みにまどわされながら、なんとか立案。周遊きっぷも値段変わらず、特急利用もこれまでどおり可とのことで一安心。ただ、やはり九州新幹線はゾーン外でした。
 開業前日に博多入り、当日は博多近辺で新線区間に乗った後、長崎、佐世保方面へ、翌日は駅へ行ったりしながら帰宅、とこんなプランで九州を目指したのですが・・・

【1日目】博多入り

 今回は観光の要素も取り入れ、上の子だけ連れていきます。なので、彼の学校が終わってからの出発です。と、近鉄で大阪へ出ようとしたら、伊勢志摩からの特急は運転見合わせとのこと。名古屋発の名阪特急に振り替えてもらいました。駅員さんに聞くと、なんでも津浪警報とのことで、伊勢志摩の影響がこんな離れたところにも出るのかと一路大阪を目指したのでした。
 特急に乗る時点から既に所定の時刻より遅れていて、新大阪からののぞみに間に合うのか心配でしたが、結局、10分ほどの遅れだけで大阪駅に到着。新大阪へ向かう近郊電車に乗ったのですが、どうも車内アナウンスのようすだと新幹線が通常どおりの運転ではなさそうな感じ・・・。大丈夫かなと思いながら新幹線乗換口に向かうと、人がいっぱい。東行きの列車はすべて運転見合わせで、西行きもいつ列車が来るのかわかりません。とりあえずホームで様子を見極めようと、精算手続きに並ぶ人の列をかき分けホームへ上がると、新大阪始発で博多ゆきののぞみを仕立ててくれるとか。自由席を待つ列に並んでいると、どうやら仕立ててくれる列車は、指定を取ってあったのぞみ49号。半信半疑で列を離れ、指定された号車へ行くと問題なく私たちの席でした。新大阪駅の混乱ぶりにただ事ではないと思いつつ、また新幹線車内の文字ニュースを見ながらえらいことだと感じながらも、映像を見ていないせいか実感までわかず、15分ほど遅れで博多に到着しました。この時点では、ことの重大さに気付かず、福岡市営地下鉄が発売した新幹線全通記念カードを買ったり、徹夜待ちする人を見たりしながらホテルへ向かったのでした。
 ホテルで荷を解きテレビを付けて、ようやく被害の甚大さを認識しました。想像を絶するとはこのことを言うのでしょう。九州新幹線は通常どおり運転の予定、開通記念式典はすべて中止、とテレビに出ているのを見て、一応、予定どおり行程をこなそうと決めて寝床にもぐり込むのでした。

【2日目】博多~新大牟田~新鳥栖~有田~長崎バイオパーク~佐世保

 みずほやさくらは、あっという間に指定がいっぱいになったみたいですが、つばめは案外ラクに指定が取れました。私らは、7時ちょうど博多発のつばめに乗ります。飾り付け等もやめたのでしょうか。静かな開業日でした。子は、木の雰囲気たっぷりの車内が気に入ったようです。静かな車内に、粛々と進む列車。新大牟田で下車してみます。駅前には中止となった開業記念式典のセッティングがなされていました。開業記念のスタンプも無いようで、つばめでいそいそと新鳥栖へ折り返し、私と子の新線区間初乗りは終了したのでした。
 この後、当初の予定では長崎線を進み、諫早乗換えで大村駅へ行く予定だったのですが、長崎本線は運転見合わせ中です。予定を変更して、佐世保線で西進。蔵宿、上有田の両駅舎を訪問することにします。新鳥栖は、新幹線と在来線が別改札となっていて、少しですが通路を歩くようになっていました。小じんまりした在来線改札を抜けようとすると、中央軒のうどんスタンドがあるではないですか。駅弁も扱っていて、焼麦弁当を購入。これを後で食すことにします。
 9時01分、新鳥栖を出発。ちょっと車両がくたびれかけている特急みどりで有田を目指します。座れなかったらどうしようと思っていたのですが、ほどよく席が埋まっている感じで、子と並んで腰を落ち着けます。佐世保線は初めての区間で、訪問したかった永尾駅や三間坂駅の駅舎を目で追いつつ列車は進みます。
 有田で松浦鉄道に乗換え。この路線が、第3セクターへ転換となる際に作成された各駅長の署名入り色紙を持っているのですが、知人からのいただき物で、今回が初乗車となります。蔵宿まではちょっとの乗車。ホームに降り立つと、反対側のホーム沿いに古い駅舎が見え、こちら側から見る姿も素敵です。子は、特段駅が好きとかそういったことはないのですが、ホームを走り回ったり、自由な空間があることが楽しいようです。
 列車の時間が迫ってきたので、はしゃぐ子をたしなめ、やがてやってきた有田ゆき列車の乗客となります。有田に着いたものの、これからどうするかです。今日の午後は、長崎バイオパークへ行くのですが、ハウステンボス駅前を13時に発つシャトルバスを予約してあります。中途半端に時間があまっているので、上有田まで電車で行き、徒歩で有田駅まで戻ってくることにします。肥前山口方面へ向かう電車を1駅で降りると、上有田駅です。
 有田駅までの道中は、有田焼を扱う店が軒を並べ、楽しい街歩きでした。メインらしき通りから神社やら窯元らしきところへ分かれていく細い道もたどってみたかったのですが、なにせ時間がぎりぎりです。いつか連れ合いを連れて、ゆっくり散策したいものです。歩くのがいやになってふてくされている子をなだめすかしながら、ひたすら駅を目指します。
 有田からは特急みどりで早岐へ。有田駅の掲示では大村線は運転見合わせ中とのことで、車中のアナウンスでも、ハウステンボスまでのアクセスは早岐駅で確認してくれとのこと。まあ、なんとかなるだろうと思いながら、早岐駅到着。有効長が長く、広いホームは鉄道が輸送の主役だった時代を彷彿とさせてくれます。
 駅舎の写真を撮ったりした後、駅員へ確認するも、ハウステンボスまでは路線バスかタクシーしかないとのこと。新潟で列車運行見合わせになったときは、手際良くタクシーを列車が動いている区間まで手配してくれたのに、とぶーたれながらバスの時刻を見ると、これではシャトルバスに間に合いません。駅前のタクシー乗り場で、じりじりしながら待つことしばらく。タクシーが現れ、無事にハウステンボスに到着。
 ここからは、子連れモードで、鉄道は封印です。長崎バイオパークのHPで知ったシャトルバスを予約してあり運んでもらったのですが、ここの運転手さんが親切で親切で。私らが列車利用で来て、今晩は佐世保泊と知ると、頼んでもいないのに駅かどこかへ列車の運行状況を確認してくれたり。えらい心配してくれてました。道中も車窓の案内をしてくれたりで、個人的には針尾の無線塔を教えてもらったことが非常に勉強になりました。1塔の周囲は、大人が20人くらい手をつないで囲める大きさらしいです。そういえばバスの予約をした際の係の方の受け答えもしっかりしていて、ここは接遇の方針が行き届いているのだろうなと感じさせられました。と、べた褒めしながら、バスは到着。
 長崎バイオパークは、遠隔地から来るリピーターもいるらしいことは聞いていましたが、面白いところでした。バスの運転手さんが、「山を利用してつくったところで、山歩きをしながら動物を見るところです。」と言われてましたが、その表現がぴったり来る感じです。えっちらおっちら坂道を歩きながら動物に会いに行きます。動物に自由にふれることができるところが多く、カピバラやらカンガルーやらお友達みたいにその辺でうろうろしている感じがして面白かったです。今回は長男だけ連れて来ていますが、いずれ次男坊も連れて来たいものです。
 3時間ほどのんびりさせてもらい、ハウステンボスまで戻るシャトルバスに乗り込みます。運転手さんはどこかへ列車の運行状況を聞いてくれたらしく、大村線が動き出したとのこと。ありがとうございました。
 ハウステンボスからは特急を早岐まで1駅利用。さらに、博多からの特急で佐世保へ。周遊きっぷもこれだけ特急をこまめに使えば、楽勝でモトは取れるでしょう。
 佐世保は初めての街です。今日の宿泊地をなぜここにしたのかというと、佐世保バーガーを一度食べたかったからです。駅構内にも店が出ており、ここで買ってホテルで食べることにします。子も喜んで食べていました。

【3日目】佐世保~佐賀~肥前七浦~久保田~小城~鳥栖~自宅

 昨晩も、徐々にわかってきた地震・津波の影響をテレビで見て、暗澹とした気分になりつつ就寝。朝はホテルで朝食をとり出発です。
 この日は、博多15時30分発ののぞみに乗るまでどう過ごすか結構悩みました。昨日行くことができなかった大村駅へ行き、長崎本線経由で博多方面に戻るか。それとも、みどりで佐賀方面へ直行し肥前七浦駅へ行くか。大村駅は夏くらいに再訪すれば駅舎は残っているだろうと思い、後者を選ぶことにしました。
 佐世保を8時過ぎに出るみどりで、この日の行程が始まりました。昨日何度か行ったりきたりした早岐駅を眺めたり、急いで歩いた有田の街を見ながら一路佐賀へ。肥前山口で降りてもよかったのですが、長崎本線の普通列車まで時間があくので、佐賀まで戻り肥前山口へ折り返します。佐賀から乗った肥前山口ゆきは、白地に青帯の電車で、銀色の電車が幅をきかす今となると、とてもいかめしく見えます。肥前山口からは平野のど真ん中をひた走り、肥前七浦着。写真等で見ていたとおり古~い駅舎で、早速カメラで撮影です。昔は事務スペースであったであろうあたりを見たりしていると、あっという間に時間が過ぎました。今度は、佐賀の手前、久保田まで戻り、そこから唐津線に乗ります。
 今回は子連れということで、電車に興味の無い子を楽します要素も盛り込むことがポイントだったのですが、その一つが昨日の長崎バイオパークであり、今日の小城羊羹なのでした。資料館を併設している羊羹屋さんがあり、そこの見学をプランに入れてあったのでした。私からすると小城駅の駅舎を訪問することもでき、一挙両得です。
 ただ、駅から少し離れているのが難点で、子がいかにさっさと歩いてくれるかが重要になってきます。12時頃、小城駅に到着。駅舎の写真を撮った後、親子でひたすら歩きます。途中から須賀神社の長そうな階段が見え出し、20分ほど歩いたでしょうか。村岡総本舗さんに到着。紹介ビデオを見ていると、お抹茶と羊羹を出してくれ、子も大喜びです。ビデオを見た後は2階に資料が展示してあるのですが、きれいに展示してあり素敵です。陸軍御用達の札とか、駅での販売許可証など歴史性のある展示が興味深かったです。店員さんも丁寧で、お茶をいれてくれたり、買い物後、店の外まで見送ってくれたり、来てよかった感があふれてきます。竹の皮でつつんだ羊羹は、帰宅後食べたのですが、まわりがしゃりしゃりになりかけており、紹介ビデオにあった「羊羹は生きている」ということを感じさせてもらいました。
 急いで駅へ戻り、列車発車の10分くらい前に戻ることができました。子も今回は、よく歩いてくれました。小城から佐賀ゆきの気動車に乗りますが、久保田からは鳥栖ゆきの電車が先発。座れないかと思っていましたが、ラッキーなことにほどよく空席が。親子眠りこけながら鳥栖到着。今日の行程はもう帰宅するだけですが、最後に鳥栖駅舎を拝んで帰ることにします。去年訪問したときは雨模様でしたが、今日は暑いくらいの好天です。玄関をアップで撮ろうとすると、なんか異変が。タクシー乗り場の屋根が新築され、ファインダーに入っていたのでした。うーん、駅舎訪問はやはり急を要している。
 あまり食欲が無い子どもにはいなり寿司を、私はかしわうどんを駅の立ち食いうどん屋さんで食し、フィナーレとします。今回は子連れだったので、列車内で座れるかどうかを結構気にしていたのですが、博多方面へ行く快速列車は、鳥栖からですと楽勝で座れたのでした。
 今回の旅行は大村駅へ行けなかったものの、これは長崎散策とあわせて次回の宿題にしようと思っています。ただ、失ったものあれば拾うものありで、去年親に頼まれて買った鶴乃子を今回は無事お土産として持ち帰りました。去年は、買いはしたものの列車の中に忘れてしまい、忘れ物係へ問い合わせるも、行方不明だったのでした。親は、あらそうだったかしら、とつれない返事でしたが、私の自己満足度は120点です。
 今年中に大村線訪問を果たしたいと思っております。


                         《おしまい》


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